【研修インタビュー】株式会社ドリコム

インタビュー記事

ドリコムについて

東京都目黒区にある株式会社ドリコム(以下、ドリコム)は、ゲーム事業と広告・メディア事業コアビジネスとして、インターネットの世界で「コミュニケーション」を軸に、スマートフォンコンテンツやインターネット広告などのサービスの企画・開発を行う“インターネットにおけるものづくり企業”です。
ロゴに含まれている「with entertainment」はドリコムがずっと大切にし続けてきたものであり、単なる「娯楽」という枠組みを超えて「人の期待を超える行為全て」と考え、新たに楽しみや喜びを生みだすことを理念としています。
この記事はドリコム(人事部の嶋根様)に、ドリコムで実際に行われている研修の具体的な中身や、社員のキャリアアップに対してどのように考え、そのサポートを行っているのかについてインタビューした内容をまとめたものです。

1.新入社員に対して行っている研修について教えてください。

研修に関する特徴的な制度の一つが、育成担当者制度です。これは新人一人に対して育成担当者が一人ついて、新人が自分の目標に向かって進むことを一年間支援し続ける制度です。育成担当者は特に年次が決まっておらず、早ければ2年目になる人もいますし、30歳くらいの人がつく場合もあります。同じプロジェクトを一緒にやっている人の方がチーム同士すぐ近くにいて相談もしやすいですので、それに加えて相性がいい人へ育成担当者をお願いするようにしています。
具体的な育成内容に関しては、育成担当者ごとでそれほど大きく変わりません。1on1での話し合いを毎週やるというのが基本となっています。席が近ければ日々の業務の中で困っていることなどはすぐ相談することができますが、プロジェクトメンバーの変更などにより席が離れてしまった場合でも、週に1回は話すようになっています。どんな状況でも相談相手がいる安心感や、何か悩みがあっても抱え込まずに相談を促せるというのは、育成担当者制度があるからかなと思っています。
業務の進め方や技術的なところに関しては育成担当者以外の人が教えてもいいと思っていますので、その点で育成担当者は周りの先輩方とのハブのような存在にもなっています。

2.新入社員向けの集合研修に関してはどのようなものがありますか?

入社直後に2週間程度の集合研修を行っています。仕事の中で覚えるというのがやはり一番身につくので、それほど研修には時間を取って行っていません。その後は早い所だと4月中、現場での技術研修があるようなところでも5月頭にはもう現場で業務に就きます。
集合研修の内容としては、会社の理念やビジョンから始まり、会社の歴史などをきちんとお伝えした上で、組織図を見てもらいながら色々な職種の人がいるのだということを理解してもらいます。実際に先輩社員へ順番に来てもらって、それぞれがどのような仕事をしていて、どのようなことを気にしているからコミュニケーションを取る時にはこれを意識してもらえると嬉しいといった内容を話してもらいます。何も伝えていないと職種間での意思疎通がうまくいかないことがあるので、例えばエンジニアの人にデザイナーの人はこういうことを気にしているんだと伝えて、現場で一つのチームとして動くために必要な相互理解の土台を作るようにしています。
集合研修に関しては、他にもビジネスマナーなど様々なものを盛り込んでいますが、入社してくる人のスキルに合わせて毎年少しずつ内容は調整しています。今年はスキルの高い人が多いからすぐに現場へ配属してしまおうとか、今年は学生時代の制作スキル経験が少ないから長めにやろうといったように、入社前に一人一人と面談していく中で最終的な判断をするようにしています。

3.社員のキャリアアップに関するその他の取り組みはありますか?

ドリコムの面白いところは、縦割りの組織にグループ長や部長といった人はいるのですが、日常の業務はほぼみんなゲームタイトルごとのプロジェクトチームで行っているというところです。一つのプロジェクトごとにプロデューサーやディレクター、デザイナーやエンジニアといった人たちがいて、プロジェクトごとに日々業務をしてコミュニケーションを取っています。そうすると、例えば朝礼はプロジェクト単位でやり、部内会議ではまた戻って同じ職種の人同士で会議をするということがあります。その中で、「うちのゲームタイトルのプロジェクトではこんなことをやっている」という情報共有が自然となされ、自分の成長につながっていきます。
会社としても、それを後押しする形で組織横断的な技術共有会というのを毎月定期的に行っています。「このプロジェクトでこういう技術を使ってこんなことを実現しました」というのを、事例として他のプロジェクトの人へも共有していくという取り組みです。ただこれも、会社として人事が指示を出して実施しているわけではなく、現場の人達が自主的に行っている形になっています。他にも現場主導で様々な学びを共有しようという声が上がり活動となっているものはたくさんあり、会社として知識を共有しようという雰囲気はかなり大きいと思います。

4.今後のキャリアップ支援に関して考えていることがあれば教えてください。

ドリコムでは、常に新しいものを生み続けるということが社長の想いとしてあります。色々なアイディアや企画というのを頻繁に募集していて、そこへの投資も大きくしています。若いスタッフでも実力と信頼があれば抜擢します。年齢や経験は一切不問、新入社員が来てすぐに新規事業の社長をやったということもありました。素晴らしいアイディアがあれば、事業運営の経験に関してはドリコムのスタッフがサポートしますし、お金も出資します。そういう、常にチャレンジャーが現れるような文化の醸成はしていて、今後もそこは厚くしていきたいと思っています。
他には、ドリコムは本人のやりたい思いを大切にする会社です。やはりみんなクリエイターとしてそれぞれ好きなことがありますので、それを尊重するようにしています。例えば新しいゲームを立ち上げるプロジェクトがあっても、ゲームの好みがあるので、プロジェクトに参加してみないか声をかけても断って次の他のタイトルを待つという選択をする人もいます。部内できちんとコミュニケーションが取れていれば、それでまったく問題ありません。
「面白いゲームを作るにはこうした方がいい」といった意見は職種を問わず出るような雰囲気が会社にはすでにありますので、引き続きみんなで思うことを言って意見交換をしながら、ものづくりを進めてきたいと思っています。

※となりの研修室の記事は、現在 「Edu研」へと引き継がれております。