【研修インタビュー】テクノプロ・デザイン社

インタビュー記事

テクノプロ・デザイン社について

株式会社テクノプロは、機械、電気、電子、組込制御、IT、化学、バイオなど多様な技術分野において、設計開発や商品開発をはじめコンサルティング業務などを提供する総合技術ソリューション企業です。
同社は技術ドメイン別に4つの社内カンパニーによる独立採算制を採用し、その内テクノプロ・デザイン社は全国に34の営業拠点と8つの開発センターを置き、機械、電気、電子、組込制御分野における技術サービスを提供し、単なる技術サポートにとどまらず製品化における実行プロセスにおいても多様なサービスを提供しています。
この記事はテクノプロ・デザイン社のキャリアデザイン推進課の方々に、テクノプロ・デザイン社で実際に行われている研修の具体的な内容や、社員のキャリアアップに対してどのように考え、そのサポートを行っているのかについてインタビューした内容をまとめたものです。

1.新卒の方が入社後に受ける研修について教えてください。

まず入社して2週間は、ビジネスマナーを中心とした研修をしています。今年の具体的な内容としては、最初の3日間、徹底的に挨拶や身だしなみといったところをお伝えしました。学生から社会人へと気持ちを切り替えるために、非常に熱を入れて取り組ませていただいております。その後は一般的な情報セキュリティやコンプライアンスといった知識部分を伝え、加えて今年からの新たな取り組みとしてキャリア教育に注力しております。講師が前に立って話をするのもそうですが、「自分のキャリアを自分で考える」ということを新たに入社された方へしていただきました。
以前からキャリアのサポートはしていたのですが、やはり最初から本人がなりたいエンジニア像、キャリアイメージを持っていた方が、会社としてより支援をしやすいと言えます。そのため、今回から会社の概要などを理解していただいた上で、本人に自分の将来を考えていただき、どういうエンジニアになりたいかをイメージしていただけるようにしました。
技術的な研修に関しては、その後部門ごとに実施をしております。機械系の分野と、電気、電子、情報というように分かれるのですが、基本的に4月中旬から5月末までが基本的な技術研修となっております。人によっては育成コースのような特別な研修も用意しており、9月まで徹底的にOJTを通して学んでいただくということもやっています。

2.その他の時期の研修についても教えてください。

弊社では非常に研修の数が多いのも特徴の一つです。それをただ強制として行うわけではなく、冊子としてまとめており、本人が希望した研修をその中から自由に受けることができるようになっております。

冊子は検索のしやすさを意識して作られておりますので、自分が今担っている役割や業務、職種といった観点から目的別に検索することができます。そのため使う際は、例えば「組み込みのエンジニアになりたい」と思っていた場合、その分野の所で見れば一通りの難易度と、それが技術戦略マップ上でどこに位置付けられるのかを理解した上で選ぶことができます。
技術戦略マップとは、国が進めている技術的な強みを分かりやすく並べたものです。テクノプロ・デザイン社ではこの中でさらに戦略5分野と呼ぶ分野を決めていますので、その中からキャリアとしての全体的な位置づけを理解しつつ、自分で身につけたい専門知識を選び学んでいくことができます。
冊子の中には、外部研修だけでなくテクノプロ・デザイン社でしか受けられない研修もたくさんあります。最近ですと、これから旬になるデータサイエンティストに関するものなども他の企業様と連携をしながら研修のラインナップとして取り入れております。
ただし、たくさんの研修はありますが、その中でどのようなエンジニアになるためにどれを受けていくのか一人で決めるのはなかなか大変なことです。そのためにテクノプロ・デザイン社では、キャリアデザインアドバイザー(CDA)からのアドバイスというものがあります。

3.CDAについて詳しく教えてください。

CDAの制度は2009年からできたものでして、2014年には新卒入社社員に対して入社1年目から5年目までの5ヵ年を大事にしようと掲げ、その期間は全員に必ず1人のCDAが担当者として配置されるようにしております。具体的な役割としては、CDAが社員と面談を行いコミュニケーションを取る中で、自己理解を深め、社員が自分自身のなりたい姿に気づいていくための補助を担います。「こういう研修をこういう順番で受けたらそのキャリアプランに役立つ」などのアドバイスを行いながら、キャリアデザインシートを作り、5年間でどうやって今の自分となりたい姿のGAPを埋めていくのか必要なスキルを洗い出し、業務で学ぶものとそうでないものを選別し、研修を提案します。
CDAを配置するようになってから、数字としても効果が出ております。テクノプロでは、EPSという本人の市場価値を会社の中で測るための基準を設けております。この数字が、年々上がってきているのです。社員からも、自分で研修を受けに行くとどれだけ能力が上がったのか数値化されて確認でき、エンジニアとして市場価値が高まったことが分かることで自信につながるという声をいただいております。
EPSは人事評価に関係するものではないため、研修を受けたかどうかが直接的に評価につながるわけではありません。ただやはりスキルアップしたという実感は働く上での前向きな気持ちに繋がりますので研修の受講は推奨しておりますし、そういった定量的に測るものを用意しつつ「何を学ぶか」という点でCDAが支援する形になっております。

4.今後に向けての新しい取り組みがあれば教えてください。

今年の5月から、研修の受講を管理できるラーニングマネジメントシステム(LMS)を導入しました。研修の受講に関しては毎日のように手を挙げる人がいて、これまでは申請にあたっての業務量が多かったのですが、今は非常に効率化できております。研修を希望する人の割合は、これまでの数字で見ると34歳以下で2619人中1780人、年間で約7割の人が自分から研修を申し込んでいるという状況になっております。我々としては入社後5年間の中で得た学びを活かし、その後も自分から成長を止めず引き続き自分でキャリアを切り開いていくようなエンジニアを目指していただきたいと思っておりますので、その後押しをさらにしていきたいと思っております。
研修制度に対しては、「これだけの研修が充実しているからテクノプロを選んだ」といった声をいただいております。採用のリクルーターも、研修制度やCDAの存在を積極的にアピールして採用に結びつけてくれていることは非常にありがたいことだと感じております。来年から入社する社員の中には、自分もいずれCDAになりたいと言ってくれている人もいます。社員がスキルアップして自身の価値を高め、会社としてもお客様から高い価値を認めてもらえるように、引き続きキャリア支援に関しては力を入れていきたいと思っております。

※となりの研修室の記事は、現在 「Edu研」へと引き継がれております。