【研修インタビュー】株式会社フレアシステム

インタビュー記事

株式会社フレアシステムについて

 東京都新宿区にある株式会社フレアシステム(以下、フレアシステム)は、「医療」をターゲットとし、医療系システムの開発及び導入を主な事業内容として行っている会社です。
 「社員の成長=企業成長」と考え、仕事を通じて人も会社も成長することを目指しており、仕事に対して誠実に前向きに取り組む気持ちがあり、自ら学ぼう、成長しよう、そしてやり遂げようとする強い気持ちを持つ人達がお互いに協力し合いながら日々業務をしています。
 この記事はフレアシステムの代表である萩原宏一様に、フレアシステムで実際に行われている研修の具体的な内容や社員教育に対して抱いている思いなどをインタビューし、その内容をまとめたものです。

1.入社後の研修内容について教えてください

 研修は、ITに関する基本的な知識ももちろんお伝えしていますが、コミュニケーション能力や主体性といった社会人としての基礎的能力を特に重視して行っております。これは会社の主旨として、たとえ逆境の時でも生き残れる人を育てたいという思いによるものです。フレアシステムでは、ITの知識がない人でも採用しています。通常のソフトウェアの会社ですと、即戦力としてすでに知識がある方を採用される企業が多い傾向にありますが、フレアシステムでは、現場に入りお客様が望んでいる結果や課題をきちんと聞き取り、寄り添っていくということを大切にしておりますので、そのような意識で一緒に仕事をしてくれ方であれば採用させていただくことが多くなっております。バブル崩壊やリーマンショックといった大きな環境変化があった時も、この業界で生き残ってこれたことは、そのような現場に寄り添える哲学があったからこそと考えております。このような流れから、人財育成においてもそのための能力を一番重要視しています。
 実際に業務をおこなっていて、時折もらうお客様からの指摘に多いのは、ITの部分というよりもきちんとコミュニケーションが取れていなかったことに起因する、社会人基礎力的な部分が多いです。しかしこれは業界として珍しい話ではないため、裏を返せば、当たり前のことを当たり前にきちんと出来ていればそれだけでも差別化につながる状況とも言えます。そのため、ITに関する知識に加えて社会人としての基礎力部分には今後も注力して教育をしていきたいと考えています。

2.具体的な研修の内容について教えてください。

 もともとは外部の社会人基礎力に関する講座を導入していたのですが、Eラーニング形式で会社の会議室を使って全員に一つの画面を見てもらい、インプット式の研修をおこなったところ、効果があまり感じられませんでした。学校で知識をとりあえず詰め込んでいるといったように、画面を見てはいるのですが、自分のこととして置き換えられず自分の業務で応用できない人がいた為、短期間で別の形式へと変更をしました。
 現在は、毎週木曜日の午前中に集まっていただき、ディスカッションをメインとして研修をしています。内容は同じくEラーニングによる講義映像を使用しているのですが、その途中で何度か映像を停止し、そこまでの内容に関してどのように考えるかということをディスカッションしてもらいます。
 大事なのは、答えの中身よりもまず自分自身で考えることだと思っています。色々な種類の講義がありますが、仕事における考え方というのは唯一の答えがないものが多く、「1+1=2」のような仕事はほとんどありません。そのような中ではまず自分なりに問題の全体像を捉え、対応について自分で考えていくということが非常に大事だと思いますので、様々なテーマに対するディスカッションを通して「自分で考える力」を養ってもらえたらと思っています。

3.教育制度を整えていく中でどのような苦労がありましたか?

 最初は経営層のやりたい気持ちだけが先行している状態で、社内へと浸透させていくのに苦労をしました。教育に関してはまず新入社員から入社3年目くらいまでの若手社員から力を入れていこうと考えたのですが、経営層はやる気があっても、会社へと浸透させていくためには中間層にいる方々にも理解をしてもらい、やる気を持っていただかなくてはいけません。
 中間層の方々は、それまで十分な研修を受けてきませんでした。私もそうですが、「背中を見て覚えろ」といった時代の中で、自分から分厚いマニュアルを見つつ試行錯誤して覚えていくというのが当たり前であり、「仕事は他人から教えてもらうものではない」といった環境で仕事をしてきました。今は時代が変わり、検索をすれば簡単に答えが出てくるシステムがあっても、教えてもらうことが当たり前だと感じる人たちが増えています。そのような中では、世代差によって、考えとして間違ってはいないけれど理解されないこともあります。
 そこをどうしていくかと考えた時、我々は先輩の後ろ姿を見てやってきたけれど、若い社員も本当にそのやり方でいいのか、あらためて考える必要がありました。特に今は市場や社会状況が大きく変わる、変化の多い新しい時代になってきていますので、そこに対する理解を中間層の方々に求め、時代の変化によって最低限教えるべきところは若手社員に教えていくべきだと会社として考えています。

4.研修以外でのキャリアアップ支援について教えてください。

 ITに関して色々な資格がある中で、その試験を受け合格した場合に受験費用を会社が負担するということはしています。またそこで取得した資格に応じて、資格手当として毎月の基本給が上がる仕組みもあります。例えば「医療情報技師」という資格は、ITの知識と医療の知識の両方が必要で、病院がカルテの電子化などを進めている今の時代において信頼が得られる資格の一つです。こういった資格に対して、受験費用を出し、毎月技術手当をつけています。
 ただ、話が戻ってしまうのですが、キャリアアップという意味でもやはり重要なのは基礎的な能力だと思っています。ITの会社に就職したら、ITの知識だけですべての業務ができるかと言えば、決してそうではありません。会社において仕事は一人ではできませんので、お互いに助け合っていく必要があります。その中ではいずれ必ず人を動かす力も必要になります。このような対人能力は、知識を詰め込んで終わりというものではなく、現場において自分で考え、試行錯誤していくことで身についていく基礎的能力です。
 ITやAIなどと聞くと、なんとなくカッコいい印象を持たれる方もいますが、私は結局のところすべて手段と環境であり、大事なのはあくまでもそこにいる自分がどれだけたくさんの人たちと協力し合えるかだと思っています。未来のことは分かりません。昔と比べて、今はメールやSNS、AIや3Dプリンターなど色々なものが出てきており、今後も引き続きどんどん環境は変わっていくのだと思います。しかし、そのような環境でも会社として一人でも多くの人が自分で考えられる組織であれば、進化に対応できるはずです。今後も引き続き、そのような人財を育てていきたいと思っています。