【研修インタビュー】株式会社サイバード

インタビュー記事

株式会社サイバードついて

東京都渋谷区代官山にある株式会社サイバード(以下、サイバード)は、「モバイルでスマイル!」を企業理念に掲げ、様々なモバイルコンテンツを提供している会社です。
累計会員数2,000万人を誇る“イケメンシリーズ”を筆頭とするゲーム事業に加え、様々なIPを用いたコンテンツ事業、その他、Voice UI事業や女性向けメディア事業などを、「Happyな瞬間を創り出す」というミッションと、「情熱力企業であり続ける」というビジョンを根底として展開しています。
この記事はサイバード人事部の関根様に、サイバードが力を入れて取り組んでいる女性の活躍支援に関する取り組みや、社員のキャリアアップに対してどのように考え、そのサポートを行っているのかについてインタビューした内容をまとめたものです。

1.入社後の研修制度について教えてください。

研修に関しては、デザイナーやエンジニアなど様々な職種の方々がいらっしゃいますので、基本的には部署単位で方針を決めて行っています。専門的な部分まで人事部ですべて把握して介入しようとするより、各部署で必要なものは各部署が一番理解をしていますので、部署ごとに予算をつける形で支援するという体制になっています。
全社的な教育に関する制度としては、「MeGAKU」という制度があります。この名前は、「私」という意味の「Me」と、「学ぶ」という字の「学(ガク)」をつけたもので、「自ら主体的に学ぶことで自分に磨きをかける」ということを会社が支援する制度となっています。具体的な内容としては、例えば資格取得にかかる費用やセミナー参加のための費用、他にもオンライン英会話の費用といったものを支援しています。費用面だけでなく、受講時間の確保という点でも、業務時間内の資格試験やセミナー参加は業務時間とみなしてその時間の給与もきちんと支払います。
対象となる資格やセミナーに関しては基本的にご自身で選んでいただくのですが、何を勉強したらいいのか分からないという方もいらっしゃいますので、推奨する資格というのも定めています。会社内のみでの情報ですと、視野が狭くなってしまったり、新しく何かを始める時間が取りにくかったりといったことがありますので、ご自身のスキルアップに加えてモチベーションアップや、外に出て社外での交友関係を広げていただくなど自分磨きに役立てていただきたいと思っています。

2.キャリアアップに向けたその他のサポートについて教えてください。

サイバードでは現在の主力事業が“イケメンシリーズ”というもので、当初より女性向けのサービスで成長してきた歴史もあるため、その分野において社内で事業をけん引している人材は20代後半から30代前半の女性が中心となっています。そのため、女性のキャリアアップに向けたサポートということで、女性特有のライフステージのイベント(妊娠や出産)を迎えても会社で長く働き続けられるような制度を整えています。これは、近年特に力を入れて取り組んでいることです。
具体的な制度としては、短時間勤務制度と、在宅勤務制度といったものが挙げられます。短時間勤務制度とは、文字通り朝の始業時間を遅くしたり、夕方の終業時間を早くしたりする制度です。一般的には育児のための支援制度ですが、サイバードでは朝の通勤ラッシュ時における妊娠中の母体の保護という観点から、妊娠期間中も短時間勤務ができるようにしています。朝の時間はゆっくりと12時に出社していただき、その分夕方に働いてもらうなど、柔軟性を持たせた取り組みをしています。
在宅勤務制度に関しては、まず一つ短時間勤務で働かれていて社内での勤務時間に制限がある方でも、無理のない範囲で自宅で作業ができる環境を整えるという使い方があります。もう一つは、子供の病気やケガといった突発的なものに対応するための使い方もできます。育児でキャリアを一度止めてしまうことへの心配や、子供の病気やケガで頻繁に休むことによる周囲への気兼ねなどに対して様々な不安の声がありましたので、在宅勤務ができるようにすることで社員を守っていきたいと考えています。

3.制度の運用にあたって心掛けていることはありますか?

一番は、本人の意思を尊重することだと考えています。サイバードでは、短時間勤務が二種類から選べるようになっています。基本的なものは、勤務時間を短くして、その分給料や賞与といったものが少なくなるというものです。もう一つは、「成果を上げる」ということにフォーカスして、求められる成果を上げれば勤務時間が短くても通常の給料や賞与を変わらず支給するというものです。これらは本人の意志で選択することができ、家族との時間を優先したいという方も、キャリアを引き続きバリバリ伸ばしていきたいという方も、両方を支援できるような制度にさせていただいています。
成果で評価をするためには、現場のマネージャーと本人の間でしっかりとコミュニケーションを取り、目標とする成果を明確にした上でお互いに共有することが重要です。評価制度自体は、全社的に一つの評価基準のようなものを持っていますので、それをもとに上司と目標を話し合っていただきます。「ここまでできたら120点」、「これだったら100点」、「ここまでで80点」といった達成基準を事前にお互いで共有しておき、その上で「短時間勤務であっても100点の成果を出します」と言われれば、約束した目標と約束した結果ですので、後はどのような働き方で成果を出すかは本人次第でもいいと考えています。
このような取り組み姿勢が功を奏してか、他社の人事の方からは短時間勤務制度を導入した結果会社で成果を出すということへの意識が希薄になる人がいるという声も聞きますが、サイバードでは育児をされている方々で業務に対してモチベーションを下げてしまう方は今のところいません。むしろ何とか工夫してパフォーマンスを上げようと、どうしたら効率を上げられるか積極的に意見を出してくれていますので、その意味でもしっかりと女性の活躍支援ができているのかなと感じています。

4.今後取り組んでいきたいと考えていることを教えてください。

具体的な施策というわけではないのですが、制度を考える時の心構えとして、一人一人に向き合うことと、なるべく柔軟な対応ができるようにということを常に考えています。これは大手企業にはできない、中小企業ならではの強みだと思います。短時間勤務や在宅勤務における細かな選択肢もそうですし、MeGAKUもそうですが、これらはすべて社員の声を一つずつ拾っていった結果の制度です。特にサイバードでは女性社員が多いということもあり、今後も女性社員の声にしっかりと耳を傾けて、幅広い働き方や価値観を支えていけるような制度を作っていきたいと考えています。
今はまだ、社内で出産や育児といったライフステージの方がとても多いというわけではありません。ただ現在の社員構成を考えると、これから先必ず増えていきます。その時、彼女たちはもしかしたら「結婚か仕事か」で悩むことになります。結婚をすれば、次は「出産か仕事か」と悩むかもしれません。しかし私たちは、どちらかを選ばなければいけないということ自体が非常に悲しいことだと感じており、私たち自身はどちらも選べる会社でありたいと強く願っています。だからこそ、女性向けという部分では非常に手厚く制度を整えています。
短時間勤務などの制度はあっても、それを使うことに対して周囲の目が気になるという企業もあります。しかしサイバードでは、実際に子供がいて早く帰る社員に対して何も特別な感情を抱きませんし、本人たちも気兼ねせず当然のこととして帰っていきます。これというのはやはり会社として女性を守り支援するという姿勢を続けてきた結果ではないかなと感じており、会社として今後も引き続き女性の活躍支援に向けた取り組みを行っていきたいと考えています。

※となりの研修室の記事は、現在 「Edu研」へと引き継がれております。