【研修インタビュー】東京都競馬株式会社

インタビュー記事

東京都競馬株式会社

東京都大田区にある東京都競馬株式会社(以下、東京都競馬)は、大井競馬場と伊勢崎オートレース場の賃貸、東京サマーランドの経営、倉庫施設の賃貸、商業施設の賃貸等を事業として行う会社です。
提供する施設や空間、それらが存在するエリアに「住み」「働き」「学び」「訪れる」すべての人に感動を与え続けたいという思いから生まれた「空間に思いを馳せ、人々の笑顔を創造する。」という理念のもと、日々事業を行っています。
この記事は東京都競馬総務部人事課の森作様に、東京都競馬で実際に行われている研修の具体的な中身や研修を実施するに至った経緯、今後目指しているものについてインタビューした内容をまとめたものです。

1.入社後の研修内容について教えてください

研修は、一般的なところとして新入社員や若手、中堅、管理職といった階層別の研修を行っています。新入社員に対しては、入社後1ヶ月のまとまった期間を設け、ビジネスマナー等、社会人として基本的なスキルを身に着けていただくと共に、グループ各施設を回って、それぞれの事業内容について理解を深めていただきます。配属後は先輩社員をチューターとして各新入社員に割り当て、人事部門と協力しながら1年間のフォロー体制を敷きます。なお、今後は入社後1ヶ月間だけでなく、各部署の社内講師による定期的な研修の場を設けることで新たな人材育成の場にしていく予定です。
また、昨年からは新たにアセスメント研修を実施しております。これまで弊社では、研修において外部の専門家から評価を受けることがなく、自分の強み、弱みを客観的に把握する機会がありませんでした。
問題分析力、課題設定力、計画策定力等、個人の啓発点を認識し、それぞれに適した研修を受講できるようにすることが会社全体の能力の底上げに繋がると考えます。引き続き、効果的なフォローアップ等について試行錯誤しながら、徐々に現在の研修体系へ組み入れていきたいと考えております。
加えて、外部出向型の研修を行っており、対象となる階層の社員は皆さん1年単位で外部企業への出向を経験し、新たなスキルや考え方を身につけていただくようにしています。

2.出向型の研修について詳しく教えてください。

弊社グループでは、移り変わりの激しい昨今の社会環境の中、事業の根幹に位置する「人材」の育成に対してより力を入れることにより、「外部環境の変化に対応できる組織にしたい」という思いから、近年、様々な研修を新たに実施しています。
中でも特徴的な人材育成方法の一つとして出向型の研修が挙げられます。外部企業や地方公共団体において、東京都競馬の社員が出向先の一員として業務を経験するというもので、期間は1~2年と比較的長期になっています。このような研修を始めた目的ですが、当社グループは従業員規模も大きくないため、どうしても自身の仕事観が固定されてしまいがちです。一方で、現代のような変化の激しい社会に対応しながら事業を展開していくためには、様々な視点で物事を捉えることのできる社員が必要となります。いわゆる「他流試合」の必要性について弊社トップの強い思いもあり、現在の制度は2011年より開始され、入社10年前後の中堅社員を中心に現在では重要な研修として定着しております。
これまでの出向先としては、地元自治体をはじめ、シンクタンクや不動産、金融、IT、流通、サービスなど多岐に亘り、例えばシンクタンクに出向した社員であれば、環境分析や提案資料の作成等のスキルが驚くほど向上しています。また、専門スキルだけでなく、出向先で構築した「人」との繋がりを活かすことにより、様々な課題に対処しやすくなっているようにも思います。
弊社グループに所属しながら、研修の一環として全く異なる業界に触れることができる非常に貴重な機会となっており、このような「他流試合」を経験した社員は皆さん活き活きと自信を携えて東京都競馬に戻ってきております。

3.今後目指しているものについて教えてください。

昭和24年の弊社設立時の趣旨としては、施設会社として大井競馬の開催を支えることにより、東京都の財政に寄与することに加えて、大井競馬場の立地する勝島全体を「アミューズメントメントセンター」とすることで、競馬開催日以外にも「快適なレクリエーションの場」となるよう計画するというものです。そのような趣旨に呼応するように、現在でも大井競馬場をはじめ弊社グループの所有する様々な施設で、地域の皆様に喜んでいただけるような取り組みを実施しております。
大井競馬場にて本年10月にオープンいたしました、関東最大級のイルミネーションイベント「TOKYO MEGA ILLUMINATION」が正にそのような取り組みの一環です。約800万球規模のイルミネーションで競馬場を彩るという世界初の試みは、近隣地域だけでなく、外国人観光客も含めて広く皆様に楽しんでいただくために取り組んでいる事業です。この記事をお読みいただいている皆様にもぜひ一度足をお運びいただき、都内有数の夜の観光スポットを目指して光り輝く大井競馬場の姿を体感していただければ幸いです。
私たち東京都競馬グループは引き続き一丸となって、従来の事業領域にとらわれることなく、様々な事業展開により企業価値を向上させ、一人でも多くの皆様の笑顔を創造できるよう邁進してまいります。

※となりの研修室の記事は、現在 「Edu研」へと引き継がれております。