「社会人としての心構え」を教える時期

HRコラム

社会人としての心構えを教える時期

今回は、社員の社会人基礎力に関係する能力を研修によって伸ばそうとした時、時期的な面で意識しておいていただきたいことをお伝えします。

全ての研修において言えることですが、研修を実施する時期というのは、その内容に合わせてできる限り適した時期というものを選び実施することが重要と言えます。

ここでひとつの調査結果として、株式会社ビジネスリサーチラボが行った研修に関する調査をご紹介しましょう。

調査の内容は、同一の研修カリキュラムに関して背景の異なる様々な人たちが受講し、その人たちの学習態度や習熟度合いに関する結果を比べるというものになります。

この結果、特に重要な要素だと判明したものが、「レディネス」というものでした。

レディネスとは「準備」という意味の言葉で、特に「学ぶ準備が整った状態」を意味します。

簡単に言えば、社会人経験がまったくない人に、社会人としての心構えを伝えても、学ぶ準備が整っていないためにあまり効果が見込めないのです。

調査結果のまとめとしては、以下の結果が強調されていました。
「新人研修に先立った現場経験の有無によって、研修に対する姿勢が異なっていた。」
「現場経験の欠如によって、研修内で◯(マル)をもらうことを重視してしまい、成長実感を得られずに研修が終わっていた。」

社会人基礎力に関する研修も同様で、入社直後に行うより、むしろある程度実務経験を積ませて多少のスキルを習得した後に行った方が、より効果が高いと言えます。

例えば、社会人基礎力12の能力要素の中の「主体性」を高めようとして、社会人として主体的に業務へあたることの重要性を様々な観点から伝えたとします。

しかし実際の業務が具体的にイメージできていなければ、研修が終わった段階で「主体性は大事」という程度の内容しか頭に残っておらず、すぐに忘れてしまいます。

しかし具体的なイメージが出来ていれば、議論の場において「過去にこういうケースがあったけど、この場合はどうするべきだったのでしょうか」といった質問が出たりします。

こうした本人の体験に基づく具体的な事例を用いて納得してもらうことで、実際に業務態度の変化を促すことができるのです。

どれくらい現場経験を積ませてからにすればいいのかという具体的な時期に関しては、教えたい内容や、現場経験の中身など会社によって違うことも多いため、一概に言えるものではありません。

まずは、研修を行う際にはこの「レディネス」という考え方をしっかりと押さえておく事が一つの重要なポイントだと覚えておいてください。

その上で、自社の業務にあわせて、適切な時期というものを検討していただければと思います。