【研修インタビュー】株式会社ダイワコーポレーション

インタビュー記事

株式会社ダイワコーポレーションについて

東京都品川区にある株式会社ダイワコーポレーション(以下、ダイワコーポレーション)は、流通業務を一括して請け負う「物流アウトソーシング」に加え、業界の常識を覆してスタートさせた倉庫の賃貸業「物流不動産」を行う会社です。
事業領域の拡大に伴い倉庫会社から「物流CREATOR」へと変化を遂げ、現在ではお客様の商品拡販支援をミッションとして物流に関する幅広い業務を行っています。
この記事はダイワコーポレーション管理部 総務人事課の堂上さんに、入社1~3年目の社員研修として実際に行われている「新卒採用を任せる取り組み(和く和くプロジェクト)」の内容についてのインタビューをまとめたものです。

1.和く和くプロジェクトが始まった経緯を教えてください。

 物流業界の中小企業というのは採用がなかなか大変で、会社名を知らない学生が多いです。こんな社長がいてこんな社風で給料も良くボーナスもたくさん出ていい会社だということを私は分かっていたので、その事実を学生に知ってほしいという想いがありました。何がベストなのかと考えた時、会社説明会で若手の社員に話してもらうのが一番だろうと考えたのが始まりです。
 それまでも座談会みたいな形で社員を2~3人呼んで、説明会の中で学生が社員と話せる機会を作っていたのですが、これが好評でした。ただ他社に負けずに、もっと多くの学生にダイワコーポレーションを知ってもらうためにはもっと多くの社員に自発的に採用に関わってもらう必要があると考え、入社1年目から3年目までを対象に、自分たちで説明会の企画から実行までを担ってもらうようにしたところ、非常に反響が大きかったのです。
 和く和くプロジェクトは入社して1年目から3年目までの3年間の活動ですが、彼らがこのプロジェクトの中でやっていることは、通常であればリーダー研修でそれなりの年齢の社員が学ぶ内容です。それが和く和くプロジェクトへ参加していることによって知らないうちにできるようになるということがプロジェクトを始めて2年目くらいから分かってきたんです。これは何よりも良い研修だという話になり毎年実施しています。実際に社員の成長を感じる機会も増えましたし、主体性を持った若手社員が増えたことが何よりの成果だと感じています。

2.最近の和く和くプロジェクトではどのような変化がありましたか?

 毎年どんどんバージョンアップしていく中で、今では私が細かくチェックやアドバイスをしなくても大丈夫なくらいに社員が育っています。最近は若手社員のおかげで採用力が高まってきました。去年は品川の大きな会場を借りて、ダイワコーポレーションだけの企業説明会をやりました。普通の説明会だと、前に一人立って会社概要を話して、次に先輩社員が出てきて話して、その次に誰かが出てきてといった流れだと思うのですが、それを弊社では、営業ブース、人事ブース、現場ブース、社長ブース、座談会ブースというように部門や役割毎にブースを設けて、自由にどこを回ってもいいという形にしました。当日は200人以上集まり、大成功を収めることができました。
 和く和くプロジェクトの活動に関しては、方向性に関するアドバイスを適宜しつつ基本的に見守っているだけで、あとは若手社員だけでやっています。今年はここを改善しましょうとか、新しくこういうふうにやりましょうといった形で、若手社員だけで完全にプロジェクトを回している状態です。いろんな営業所から月に何回か本社へ自主的に集まって打ち合わせをしているのを見ると、本当に素晴らしいと思います。もちろん1年目の社員で最初は多少のやらされている感がある人はいるかもしれませんが、自分たちが企画した説明会に参加した学生のアンケート結果などを見て、自分が頑張った結果を目にする機会があるので、それがモチベーションにつながり徐々に主体性が芽生えているようです。

3.参加メンバーの変化について教えてください。

 入社3年目で和く和くプロジェクトは最後の年になるのですが、3年目の社員は1年目の社員をマネジメントしリーダーシップを確実に発揮します。説明会の企画や実施だけでなく、社内の調整事もすべて自分たちでやります。例えばそれまで年上の人や部門長、それこそ社長に提案や報告をするなんていうことはあまりなかったのですが、それが今は若手社員が直接、「こうこうこういう理由でこの日は会議をやるために早く上がって本社へ行きます。」というような事前の調整や報告をすべてやるようになってきたのです。本当に、しっかりと成長しているなと感じています。
 他にも、今は3年間のプロジェクトを終えた人たちに役職が付きはじめるタイミングでして、みんな現場でリーダーシップを発揮して活躍しています。彼らに対しては次の世代の幹部を担ってもらいたいと考えています。

4.今後の取り組みに向けて考えていることを教えてください。

 和く和くプロジェクトの効果は確実に出ています。ダイワコーポレーションの歴史は70年近いのですが、この5年ほどで驚くほど会社が変わってきています。ただ最近は、若手社員に課している説明会の企画・実行というミッションを以前よりも簡単にクリアしてしまうようになったことに課題を感じています。だからしっかりと成長できるプロジェクトにするために、もう少し難しい課題を出していかなければならないと思っています。
 具体的には来年の8月に、色々な会社の人事担当者が約100名集まるイベントがあるのですが、そこで和く和くプロジェクトのメンバーにダイワコーポレーションを知ってもらうためのプレゼンテーションをしてもらう予定です。学生相手ではなく、経験豊富な他社の人事担当者たちに向けて。プレゼンを聞いた他社の人たちはきっと、「うちの3年目の社員にはこんなプレゼンはできない、どうやって社員教育をしているんだ。」という反応をするはずです。そういった経験を通じて、和く和くプロジェクトのメンバーにはさらなる実力と自信を身に付けてほしいと考えています。

※となりの研修室の記事は、現在 「Edu研」へと引き継がれております。